刃渡り32㎝の大きな出刃包丁。
15万円の値札が付いている。
普通サイズの出刃ももちろんある。
3万3000円と3万5000円。コストパフォーマンスは高いと思うがいかが?
家庭用の包丁群。
全て1万円。台所に1本置けば、毎日の調理が楽しくなることは間違いない。
麺切り包丁、9万円。
そば打ちがブームになって長い。桐生の隣、足利市で手打ち蕎麦の名店といわれる店の店主は、小黒さんに細かな注文を出して自分専用の麺切り包丁を造らせている。
小黒作のナイフ群。最近はあまり買い手がないのか、作り置きは少なかった。
しかし、客の注文に応じたナイフをいかようにも造る小黒さんの技は、筆者が造っていただいた切り出しナイフにも光っている。
小黒さんははさみも打つ。1万5000円。
筆者は、小黒さんの店で剪定ばさみを買ったことがある。いま住む借家の庭木を切る必要があったからだ。本当は小黒作が欲しかったが、庭いじりの趣味がない筆者には、「猫に小判」になることは必至で、手が出なかった。
それでも、小黒さんが自分の店に置いてもいいと思ったはさみだから、園芸センターなどで買ったものよりはるかに切れる。
刈り込み用のはさみ、3万円。
庭園の手入れを仕事にする人に喜ばれる逸品だ。
小黒さんは、それぞれの庭師の癖、身の長けなどを見て少しずつ仕様を変えて、その人にぴったりの一品を造ることに喜びを見いだしている。
小黒さんの作品はこれにとどまるものではない。関心を持っていただけたとしたら、お近くの方は是非一度、小黒さんの店を尋ねていただきたい。
遠くの方は、旅行のついでに桐生に足を伸ばしていただくようお願いする。
—完—