明治25年(1892年)に桐生市で創業した朝倉染布は、第2次世界大戦後、合成繊維の染色加工に特化した中堅企業である。
布を染めるとは、染料を布に化学結合させることだ。染料の代わりにほかのものを化学結合させれば、新しい機能を持った布が生まれる。朝倉染布は創業以来、布をより美しく染め上げ、できるだけ色落ちしない染色加工技術を積み上げてきた。合成繊維の加工を専業にしてからは、世に役立つ機能を布に付け加える研究・開発にも力を注いできた。引き出しには数多くの独自技術が整理されている。
布に撥水加工をする会社はほかにもある。朝倉染布は、そんな技術開発競争の中で、常に先頭に立つ努力を積み重ねてきた。朝倉染布が大事に育ててきた技術の枝々の1本の先に実った果実が、「ながれ」である。
ところで。
朝倉染布がなぜ撥水加工技術の開発に手を染めたかご存じだろうか?
水をはじくのに水を通す魔法の布は、赤ちゃんの肌に優しいおむつカバーを創り出そうという努力が生み出したことは余り知られていない。