朝倉染布第5回 エマルジョン化
今度は東レの技術支援は望めない。朝倉染布だけの力で立ち向かうしかない。本当にできるのか? 社内は期待と心許なさが交錯した。だが、やらなければ、この隘路を切り開くことはできない。 「当時、フッ素系の撥水剤で水溶性のものが出...
今度は東レの技術支援は望めない。朝倉染布だけの力で立ち向かうしかない。本当にできるのか? 社内は期待と心許なさが交錯した。だが、やらなければ、この隘路を切り開くことはできない。 「当時、フッ素系の撥水剤で水溶性のものが出...
技術陣の奮闘で、危険と隣り合わせだった加工作業が安全になった。そればかりがか、 撥水機能も格段に良くなった。嬉しいことに消費者も質の向上を感じ取ってくれたらしい。朝倉染布の撥水生地生産は順調に伸びた。 東レの生地を使い、...
突然だが、話が少し遡る。 1959年、米国のデュポン社が「奇跡の糸・スパンデックス」を世に出した。1000万ドルの開発費と15年の歳月を費やして生み出したといわれる、伸びる糸、である。商品名を「ライクラ」といった。 糸は...
1970年代、競泳用水着が大きく進化し始めた。 それまでのオリンピック選手が身につけていたのは、私たちが海やプールで身につける水着とほとんど変わらない水着だった。水着とは人前にさらすことがはばかられる身体の一部を隠すもの...
現代の名工。 「あなたが身につけた技能は飛び抜けて優れている」 と国が認め、厚生労働大臣の表彰を受けた「卓越した技能者」の通称である。職人として最高のお墨付きをもらうのは毎年150人(1995年度までは100人)で、19...