ミシンの魔術師—大澤紀代美さん 21回 番外編

大澤紀代美さんの半世紀は前回で書き終えた。ずいぶん長い連載だったが、終えてみたら、大澤さんにお借りした写真が5枚、使わないまま残った。20回に渡って書いてきた話に、それらの写真を使うに相応しいところがなかったからである。

幸い、大澤さんのもとには、

「知らなかった話がたくさん出てきて、大澤さんへの親しみが増した」

「知らなかったが、大変な人生だったんですね」

などの反響が寄せられているという。
それだけでなく、大澤さんを取り上げるテレビ番組の基礎資料にもなっているようで、2018年10月に収録に訪れたテレビ朝日のスタッフは、この連載をもとに番組のシナリオを組み立ててきたそうだ。もっとも、進行役の松岡修造さんとの話が弾み、スタッフが用意したシナリオを無視した番組になってしまったそうだが。

という反響を大澤さんにうかがって、残った写真がもったいなくなり、すべて公開することにした。

テレビ朝日の取材でも伺われるように、大澤さんはメディアの寵児でもある。新聞、テレビは言うに及ばず、雑誌、女性誌、スポーツ雑誌、さらには銀行の顧客向け出版物までに登場した。テレビなどの依頼を受けて訪れたタレントもジャニーズ関係(誰だったのか、大澤さんの記憶にない)、お笑いタレント、双子タレントのマナ・カナ(三倉茉奈、佳奈)のどちらか、と多彩だ。

中には大変な反響を呼んだ番組もあり、NHKの「イッピン」に登場したときは、知人が作ってくれたホームページに8万件ものアクセスがあったそうだ。

いまでも年に3、4件の取材依頼が入る。松岡修造さんとの番組は11月に放映される予定だという。この番組も多くの方に見ていただきたい。

下の写真はそのうちの一つ、舞の海さんが取材にやってきたときに撮った。いつのことだったかは思い出せないというが、アルバムを開いて舞の海と言葉を交わす写真で見る大澤さんはずいぶん若い。

     

次は関取雅山の化粧回しだ。茨城県水戸市出身の力士で、ひいき筋から依頼されて縫った。鋭い視線で獲物を睨みつける獅子はひげの一本一本まで力に溢れており、大澤さんならではの化粧回しに仕上がっている。

     

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です