朝倉染布第6回 パンパース
技術陣の奮闘で、危険と隣り合わせだった加工作業が安全になった。そればかりがか、 撥水機能も格段に良くなった。嬉しいことに消費者も質の向上を感じ取ってくれたらしい。朝倉染布の撥水生地生産は順調に伸びた。 東レの生地を使い、...
技術陣の奮闘で、危険と隣り合わせだった加工作業が安全になった。そればかりがか、 撥水機能も格段に良くなった。嬉しいことに消費者も質の向上を感じ取ってくれたらしい。朝倉染布の撥水生地生産は順調に伸びた。 東レの生地を使い、...
突然だが、話が少し遡る。 1959年、米国のデュポン社が「奇跡の糸・スパンデックス」を世に出した。1000万ドルの開発費と15年の歳月を費やして生み出したといわれる、伸びる糸、である。商品名を「ライクラ」といった。 糸は...
1970年代、競泳用水着が大きく進化し始めた。 それまでのオリンピック選手が身につけていたのは、私たちが海やプールで身につける水着とほとんど変わらない水着だった。水着とは人前にさらすことがはばかられる身体の一部を隠すもの...
その後改良が進んだが、当時のスパンデックスは塩素に弱かった。塩素に触れるとやがてボロボロに劣化する。ご存じのように、プールの水には殺菌剤として塩素が含まれている。プールで数回泳げばボロボロになってしまうのでは水着としては...
もう一つ、競泳用水着の生地につきものの悩みがあった。色落ちである。普通に処理したのでは冗談では済まないほど色が落ちる。 スパンデックスはスポンジのように隙間がたくさんあり、その隙間に染料が入り込む。 風呂場でスポンジに石...