その16 コートールド美術館
ロンドンのウエストミンスター地区、大英博物館や国会議事堂の近くにあるコートールド美術館が松井ニット技研のマフラーを販売し始めたのは、2010年8月のことである。 この年の初め、パリで開かれた家庭用品の見本市、「メゾン・エ...
ロンドンのウエストミンスター地区、大英博物館や国会議事堂の近くにあるコートールド美術館が松井ニット技研のマフラーを販売し始めたのは、2010年8月のことである。 この年の初め、パリで開かれた家庭用品の見本市、「メゾン・エ...
話は少し遡る。 コートールド美術館との縁を取り持ってくれた「メゾン・エ・オブジェ」とは、ヨーロッパ最大ともいわれるインテリアとデザインの見本市である。ここに松井ニットが初めて出展したのは2009年のことだった。東京のある...
敏夫専務は子どもの頃から絵が好きだった。好きなだけでなく得意でもあり、小中学生の頃は群馬県内の様々なコンテストでいくつもの賞を取った。一時は 「画家になろうかな」 と夢見たこともある。 画家を断念してビジネスの道に進んだ...
長年の思いを込めた敏夫専務の話に、2人は興味を持ってくれたようだった。 「そりゃあ、東洋人が突然スペイン語で話しかけてくるし、話を聞くと日本人だという。1549年にはスペインからフランシスコ・ザビエルが日本に来てキリスト...
敏夫専務が弱気の虫を抱えたまま2011年の夏を迎えた。事務所のパソコンを立ち上げると、珍しくクリスティーナさんから英文のEメールが入っていた。読み始めた敏夫専務の心臓の鼓動が早まった。 「今年の11月から印象派の絵画を集...