ミシンの魔術師—大澤紀代美さん 第6回 デザイナーたち
いまでは「ドン小西」と表現した方が通りがいいかも知れないファッションデザイナー、小西良幸さんとの仕事が始まったのは、カーンとの仕事が終わって間もない1987年のことだった。知り合いの女性に 「小西さんと会ってみませんか」...
いまでは「ドン小西」と表現した方が通りがいいかも知れないファッションデザイナー、小西良幸さんとの仕事が始まったのは、カーンとの仕事が終わって間もない1987年のことだった。知り合いの女性に 「小西さんと会ってみませんか」...
見知らぬ人からの手紙を受け取ったのは1975年秋だったと記憶する。天下の日展からは門前払いを受けた大澤さんだったが、そのころには「知る人ぞ知る」刺繍作家として世に認められ始めていた。突然の手紙を受け取ることも増えていた。...
大澤さんが、芸術の都パリで個展を開いたのは1993年のことである。 「糸の出会い展」 とタイトルを付けた。 といっても、自分で企画し、準備したのではない。お膳立てされて、そ...
西洋に 「銀のスプーンをくわえて生まれてくる(Born with a silver spoon in one's mouth)」 ということわざがある。富貴な家に生まれついた、恵まれた子供たちのことである。その表...
躾を頑として受け付けない箱入り娘は、学齢期になっても一風も二風も変わっていた。 女の子は、おはじきやお手玉、おままごとで遊ぶものとされた時代である。だが、大澤さんはそんな「女の子らしい」遊びには見向きもしなかった。 女の...