FREE RIDE ライダーは桐生を目指す その17  桐生を使おうよ!

何度も書くが、「FREE RIDE」は大手アパレルメーカーではない。群馬県桐生市という地方都市に腰を据える小さな店に過ぎない。バイクライダーの世界ではカリスマ的なブランドだとはいえ、発注する量はいわゆる「小ロット」でしかない。手間ばかりかかる難しい仕事で、生産量はわずか。となると、敬遠されても仕方がない仕事かも知れないのに、各社とも二渡さんとの付き合いは長い。

「先日来たお客さんが、おたくでやってもらった仕事をこういう風に褒めててね」

「社長、この間やってくれたところ、お客さんに評判いいですよ」

という二渡さんが運んでくる市場の反応も加えて、仕事の難しさを一緒に楽しんでいる風すらある。

「桐生の工場、職人さんたちには熱量があるんですよ。自分の仕事にかける情熱は半端じゃない」

二渡さんの熱と、工場、職人さんたちの熱が溶け合って莫大なエネルギーを放出する。その結晶が「FREE RIDE」である、といっても言いすぎではない。

だからだろう。

「桐生なんてもうダメだよ」

という言葉に接するたびに、二渡さんは苛立つ。

「そんなことはない。これだけの技術の集積、蓄積がある。桐生の職人さんたちに何をしてもらいたいのか、知恵とアイデアさえあれば、私を超える仕事を、服を生み出せるのは間違いないんですよ。こちらに熱があれば、桐生の職人さんたちは一緒に燃えてくれます! その熱を引き出さなくては」

新しいファッションを生み出したい。桐生の職人技を使いたい。そんな人たちの出現を二渡さんは心待ちにしている。

「やりたいことを思いついたら是非私に連絡して下さい。優れた職人さんたちをいくらでも紹介させてもらいますから」

写真:二渡さんのデザインは縫製屋さん泣かせである。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です